福島県南相馬 カフェ「ハートビートベース」を営む宗像由美子さんご夫妻【人生の楽園】に登場

2025年11月8日(土)18時から、テレビ朝日系列で放送される『人生の楽園』。今回の舞台は福島県南相馬市にある小さなカフェ「ハートビートベース」です。番組のタイトルは「幸せの鼓動 夫婦のカフェ」。民族楽器と手づくりランチが響き合う心地よい空間が、今多くの人の関心を集めています。

案内人は女優の菊池桃子さんとテレビ朝日の小木逸平アナウンサー。柔らかな語り口とともに、音と人がつながる南相馬の物語が丁寧に描かれます。保育園から中学校まで同じ時間を過ごした宗像由美子さんと直樹さんが、60代で再会し、結婚してから歩み始めた第二の人生。その舞台となったのが、民族楽器と週替わりランチを楽しめる「ハートビートベース」でした。

震災を経て移り住んだ南相馬の地で、音楽を通じて人が集い、笑顔が生まれる。人生の楽園らしい“穏やかな時間の重なり”が、11月の夕暮れにそっと放送されます。

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ふたりの物語|保育園からの縁が結んだ60代の再出発

宗像由美子さんと直樹さんは、福島県南相馬市で生まれ育ちました。保育園から中学校までを共に過ごした幼なじみです。やがてそれぞれの道を歩み、互いの人生を遠くから見つめながら長い年月が過ぎました。再会は、偶然のようで必然のような出来事だったといいます。

60代になってから再び出会い、同じ時間を重ねるうちに心の距離が自然と近づいていきました。若い頃の夢や音楽への思い、そして人と関わり続けたいという気持ちが重なり、やがて二人は結婚という新たな人生のページを開きました。

再出発の地に選んだのは、自然と人の温もりが残る南相馬。震災からの復興が進む町で、もう一度自分たちらしい生き方を形にしようと決意します。その思いが少しずつ形をとり、音楽と食を通じて人をつなぐ場所づくりへと動き始めました。

カフェ「ハートビートベース」誕生のきっかけ

二人が開いたカフェの名は「ハートビートベース」。直訳すれば“心臓の鼓動の拠点”。音楽を通じて生まれる鼓動と、人のぬくもりが重なる場所にしたいという願いが込められています。

店内には世界各国の民族楽器が並びます。太鼓や弦楽器、笛の音がふと響くとき、空間全体が柔らかく揺れるような心地よさがあります。ここは食事をするだけでなく、音を感じ、触れ、語り合うための小さなコミュニティの場なのです。

カフェを始めたきっかけは、音楽仲間との交流を続けたいという想いと、地域に笑顔を増やしたいという気持ちからでした。夫婦で少しずつ手を動かし、空き家を改装して店を整え、手づくりの看板を掲げた日を今も忘れないといいます。そこから「ハートビートベース」は、南相馬の人々の心に静かに響く居場所になっていきました。

民族楽器が奏でる癒しの空間

「ハートビートベース」に入ると、まず目に飛び込んでくるのは所狭しと並ぶ世界の楽器たちです。アフリカのジャンベ、インドのシタール、南米のチャランゴ、アジアの笛や太鼓など、国も音色も異なる道具が一堂に揃っています。木の香りが漂う店内で、どの楽器も手に取って音を出すことができます。

訪れる人は年齢も職業もさまざまです。ランチを楽しみに来た人がふと手を伸ばし、太鼓を叩くとそこから小さなセッションが生まれる。そんな風景が日常の一部になっています。由美子さんはピアノや歌を、直樹さんはパーカッションを担当し、二人が奏でるリズムに客が自然と溶け込むこともあります。

音楽は言葉を超えて心をつなぐもの。南相馬の静かな町の中で、音の輪がゆっくり広がっていく。そんな穏やかな時間を味わえるのが「ハートビートベース」の大きな魅力です。

週替わりランチと地元食材の魅力

音の響きに包まれながら楽しむランチは、もう一つの主役です。メニューは週替わりで、旬の野菜や地元の素材をふんだんに使っています。南相馬近郊の農家から仕入れる新鮮な野菜やハーブを中心に、家庭的でどこか懐かしい味わいを大切にしているのが特徴です。

人気は季節ごとに変わるメインプレート。春は菜の花のペペロンチーノ、夏はトマトとハーブのスパイスカレー、秋にはきのこごはんやかぼちゃスープが登場します。見た目にも彩り豊かで、食べるたびに季節の息づかいを感じることができます。

料理を担当する由美子さんは「特別なものではなく、体が喜ぶごはんを」と語ります。塩や出汁の使い方もやさしく、どの世代にも食べやすい味。音楽と同じように、食事にも“リズム”がある。そんな想いが詰まったランチは、訪れる人の心と体をそっと満たしてくれます。

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アクセスガイド|南相馬市への行き方と最寄りルート

住所 福島県南相馬市原町区牛来字大塚5-3
電話番号 050-1204-7226
営業時間 木・金・日曜:11:30〜16:00
土曜(完全予約制):ランチ 12:00〜14:00/ディナー 18:00〜20:00
定休日 月曜・火曜・水曜
駐車場 あり(約5〜6台)
アクセス JR常磐線「原ノ町駅」からタクシー約5分/徒歩約25分
常磐自動車道「南相馬IC」より約10分
公式サイト https://www.hbb-gorai.net
Instagram @heart_beat_base

「ハートビートベース」は福島県南相馬市原町区牛来字大塚5-3にあります。最寄り駅はJR常磐線の原ノ町駅です。駅からはタクシーでおよそ5分、徒歩では20〜30分ほどの距離です。駅前から国道6号を南へ進み、牛来方面の看板を目印に曲がると、田園風景の中に木の看板が見えてきます。

車で訪れる場合は、常磐自動車道の南相馬ICから約10分。駐車スペースもありますので、グループでの訪問にも便利です。ナビで「ハートビートベース 南相馬」または住所を入力すれば案内されます。

遠方からのアクセスは、仙台方面から常磐線で原ノ町駅まで約1時間半。東京からは特急ひたちでいわき乗り換え、全体で約3時間半の行程です。道中には海と山の風景が広がり、ドライブにも心地よいルートです。旅の途中にふらりと立ち寄れる距離感も、この店の魅力のひとつです。

訪問のコツ|営業日・予約方法・おすすめの時間帯

「ハートビートベース」は、木・金・日曜日の11時30分から16時までが通常営業です。土曜日は完全予約制で、昼は12時から14時、夜は18時から20時のディナー営業を行っています。営業時間が限られているため、事前に確認してから訪れるのが安心です。

予約や問い合わせは公式サイトまたは電話で受け付けています。音楽イベントや貸切の日もあるため、来店前にSNSをチェックしておくと確実です。

おすすめの時間帯は、午後の光が柔らかく差し込む14時前後。木のぬくもりに包まれた店内で、ゆったりとした音楽が流れる時間です。楽器に触れながら過ごす午後は、旅の途中のひと休みにもぴったり。ランチを楽しみつつ、心がほどけていくようなひとときを味わえます。

体験する楽しさ|楽器・ワークショップ・音の輪

「ハートビートベース」では、食事を楽しむだけでなく、民族楽器に触れて音を奏でることができます。棚には太鼓や笛、弦楽器など、世界中の楽器が並び、どれも自由に手に取ることができます。初めての人でも構え方やリズムを教えてもらえるので、音に親しむ時間を気軽に楽しめます。

定期的にワークショップやミニライブも開かれています。リズム遊びやアフリカンドラム体験など、子どもから大人まで一緒に参加できる内容が多く、笑顔があふれる空間です。音楽を通して人とつながり、世代や国を超えて共鳴する――そんな瞬間がこの場所の日常になっています。

夫婦が大切にしているのは「上手に奏でることより、音を感じること」。楽器を通して生まれる鼓動が、心の奥にある何かを優しくゆらすようです。南相馬の静かな町に響くその音は、日々の暮らしに小さなリズムを添えています。

カフェ周辺の観光案内|南相馬で立ち寄りたい場所

カフェの周辺には、歴史と自然を感じられる立ち寄りスポットが点在しています。まずおすすめなのが小高神社。野馬追の由来ともいわれる古社で、境内からは町と海を一望できます。春は桜、秋は紅葉が美しく、静かな散策にぴったりです。

次に訪れたいのが野馬追通り商店街。復興とともに生まれ変わったエリアで、地元産の野菜や手づくり雑貨、カフェが並びます。夏には伝統の「相馬野馬追」も開催され、甲冑姿の騎馬武者が街を駆け抜ける光景は圧巻です。

歴史に触れたい人には南相馬市博物館が最適です。野馬追の歴史や地域文化の展示が充実しており、子ども連れにも人気です。さらに馬のまちならではの馬事公苑では、乗馬体験やイベントも楽しめます。

カフェでランチを楽しんだあとに、こうしたスポットを巡れば一日が豊かに広がります。音と食、そして土地の物語がつながる南相馬。ここを訪れる旅は、心のどこかに静かな余韻を残してくれます。

🌸 南相馬市観光案内リンク集

宿泊スポット紹介|のんびり滞在できる南相馬の宿

ゆっくりと南相馬を楽しむなら、一泊して地域の空気を感じるのがおすすめです。カフェ「ハートビートベース」から車で10分ほどの場所には、個性の異なる宿がそろっています。

まず紹介したいのはHOTEL & CAFE こもれび。木の温もりを大切にした小さなホテルで、1階のカフェスペースでは地元焙煎のコーヒーや手づくりスイーツが味わえます。静かな時間を求める旅人にぴったりの宿です。

駅近で便利なのはホテル丸屋グランデ。ビジネスにも観光にも使いやすく、広々とした客室と朝食バイキングが好評です。市内を巡る拠点として快適に過ごせます。

もう少し家庭的な雰囲気を望むなら旅館いづみや。心のこもった和食と温泉が魅力で、地元の常連客も多い宿です。夜風に吹かれながら湯上がりの時間を楽しむと、南相馬の穏やかな夜が心に残ります。

旅のスタイルに合わせて選べる宿があるのも、この町の魅力です。音と人のぬくもりに包まれた一日を、ゆっくりと締めくくる夜を過ごせます。

🛏 宿泊案内リンク集|南相馬市での滞在に

移住・定住のすすめ|南相馬で始まる第二の人生

南相馬は、震災からの復興とともに新しい暮らし方を受け入れてきた町です。豊かな自然とゆるやかな人のつながりが残り、移住者やUターン組が少しずつ増えています。

市内には南相馬市移住支援センターがあり、住まいや仕事、子育てなど生活の相談を気軽に行えます。空き家バンクや仕事紹介も整っており、移住を考える人にとって頼れる存在です。

また短期滞在で地域の暮らしを体験できるおためし住宅も用意されています。実際に住んでみることで、日々の生活リズムや人の温かさを肌で感じることができます。

さらに地域づくりに関わる地域おこし協力隊の募集も行われており、農業や観光、アートなど自分の得意分野を活かして活動する人も増えています。

ハートビートベースのように、人生の後半から新しい場所で自分らしい暮らしを始める人たちが増えている今。南相馬は、第二の人生を穏やかに支えてくれる場所です。音と人が響き合うこの町に、心を委ねてみるのも一つの選択かもしれません。

🏡 移住・定住サポートリンク集|南相馬市

地域と音楽のつながり|心を通わせる「場づくり」

「ハートビートベース」は、ただのカフェではありません。音楽を通して地域の人々がつながる“場”として息づいています。週末には子どもたちが太鼓を叩き、シニア世代が歌を口ずさみ、若い世代がギターを鳴らす。世代も経験も関係なく、誰もが自然に音の輪の中へ溶け込んでいきます。

由美子さんと直樹さんは、音楽を“共感の言葉”と呼びます。演奏の上手さではなく、心の動きが伝わる瞬間を大切にしているからです。その姿勢は地域のイベントや講習会にも広がり、学校や地域施設でのワークショップを通じて、新しい出会いが生まれています。

音が重なり、人が笑い、町が少しずつ元気になる。そんな連鎖が、南相馬の静かな日常の中に確かに存在しています。カフェはその中心で、心の鼓動を共有する場所として、今日も静かに扉を開いています。

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まとめ|幸せの鼓動が響く場所へ

人生の楽園で描かれた宗像夫妻の物語は、特別な人だけの話ではありません。好きなことを続けたい、人と関わりながら穏やかに暮らしたい――その願いが形になったのが「ハートビートベース」です。

南相馬という地に根を下ろし、音と食で人を迎える二人の姿は、これからの生き方のヒントを静かに語りかけてくれます。忙しさに追われがちな日々の中で、立ち止まり、自分のリズムを取り戻す時間。それがこのカフェの最大の魅力です。

店名の“ハートビート”は心臓の鼓動、“ベース”はその根っこを意味します。人生のどの時期にも新しい拍が生まれる。そんな前向きなメッセージが、この場所には息づいています。音が響き、人が集い、笑顔が広がる南相馬。幸せの鼓動は、今日も静かにこの町で鳴り続けています。

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人生を奏でる「音」と「間(ま)」のカフェ

南相馬市の田園地帯にある「ハートビートベース」は、訪れる人の心拍数をそっと整えてくれる場所です。音楽と食事、そして人のぬくもりが溶け合い、日常のざわめきから少しだけ離れる時間が流れています。放送では語られなかった背景には、ふたりの人生を貫く“音”と“間(ま)”への深い思索がありました。

宗像由美子さんと直樹さんは、幼い頃からの幼なじみ。長い年月を経て再会し、60代で結婚したというだけでもドラマのようですが、そこに至るまでの道のりは静かで、けれど力強いものでした。
震災後の福島で、自分たちにできることを探したときに出てきたのが「音楽で人をつなぐ」という答え。それは職業としての音楽ではなく、生活のリズムと調和する“呼吸のような音”を意味していました。

彼らが集めた民族楽器の多くは、旅先で出会ったものです。どれも世界中の人々が暮らしの中で使ってきた「生活音の延長」としての楽器。太鼓は心臓の鼓動、笛は風のささやき、弦は言葉の余韻。音楽を特別なものではなく、“人の暮らしを写す鏡”として受け止めているのが、このカフェの根底に流れる思想です。

メニューにもその哲学が息づいています。季節の野菜を使った週替わりランチ、香り立つスパイスカレー、そして予約制のコース。どの料理にも「その時期にあるものを、そのまま味わう」という自然のリズムがあります。見栄えよりも調和、派手さよりも余韻を大切にする姿勢は、音楽と共通しています。「演奏も料理も、同じです。音も味も、残り香が心に残ればいい」とご夫妻は笑います。

筆者が特に心を動かされたのは、“空白を恐れない”という考え方でした。店内の空間には静寂が多く、音を無理に詰め込まない。会話の合間に鳥の声が聞こえ、スプーンの音が響く。その「間(ま)」こそが、訪れた人の心を落ち着かせ、深呼吸させる要素になっています。現代社会では、常に何かを鳴らし、何かを伝え続けることが求められがちですが、ここには“何もないことの豊かさ”があります。

地域との関わりも、この店の大きな特徴です。カフェをきっかけに音楽教室やワークショップが広がり、地元の子どもたちが太鼓を叩く光景も珍しくありません。音楽は世代を超える橋のような存在であり、言葉がいらない分だけ、心と心が自然に近づきます。ときには、見知らぬ旅人が地元の人と即興セッションを始めることもあるそうです。その光景は「地域再生」という言葉よりも、もっと人間的で柔らかなつながりを象徴しています。

また、南相馬という土地そのものにも、特別なリズムがあります。四季がはっきりしており、春の風、夏の海、秋の稲穂、冬の静寂が織りなす音の変化。その自然のテンポに合わせるように、カフェの営業日も無理をせず、週に数日。「人も自然も、同じように休むことが必要なんです」と由美子さんは語ります。この柔らかな働き方こそ、これからの地方移住やライフシフトの理想的なかたちを示しているように思えます。

南相馬市では移住支援センターや地域おこし協力隊の活動も活発で、近年は“心で働く”人々が増えています。ハートビートベースは、そうした人々が立ち寄り、語り合い、時には新しい夢を生み出す“交差点”のような存在です。誰かがカウンターで音楽の話を始め、そこから仕事や生き方の相談が始まる。そうした偶然の出会いを、地域の未来へとつなげていく場所でもあります。

筆者自身、この取材を通じて「人生の鼓動とは何か」をあらためて考えました。それは大きな出来事や成功体験ではなく、毎日の呼吸や笑顔、ささやかな手仕事の積み重ねの中にあります。宗像夫妻の暮らしは、そのシンプルな真理を体現しているようでした。“心が動く瞬間”を一つひとつ大切に拾い上げていくこと。その積み重ねが「幸せの鼓動」と呼ばれるものなのだと思います。

テレビ番組としての『人生の楽園』は、地方の小さな物語を通して、現代人が忘れかけた価値観を映し出しています。便利さよりもぬくもりを、効率よりも余韻を。ハートビートベースは、その象徴のような存在です。ここには「成功した第二の人生」ではなく、「自分たちのテンポで生きる幸福」があります。

最後に、このあとがきを読んでくださる方へ。もし今、人生の転機や迷いの中にいるなら、少し立ち止まって自分の“鼓動”を聞いてみてください。外の世界の音を消し、自分のリズムに耳を澄ませる時間。それは新しい一歩を踏み出すために、誰にでも必要な「間(ま)」です。南相馬の風が吹き抜けるハートビートベースで、その静かなリズムを感じることができたなら、きっとあなたの中にも、新しい楽園の扉が開くはずです。

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