「富士山麓のある神社には狛犬ではなく猿がいる!」と聞き気になったので調べてみました。
みなさんもご一緒に確認していきましょう。
富士山麓の神社には「狛犬」ではなく「猿」の像がある?
富士山には、なぜ「狛犬」ではなく「猿」の像があるのでしょうか?
それは、紀元前360年「庚申の年」に富士山が一夜にして誕生したという伝説があるからのようです。
「庚申」の読みは「かのえさる」で「庚申の年」はサル年のことです。
「申」の年に誕生した富士山の守り神として「猿」が選ばれたようです。
「狛犬」は想像上の霊獣で犬というよりは獅子に似ています。
通常「狛犬は」神前の守護を担って左右一対となって像が置かれています。
一つは「阿」形でもう一つは「吽」形です。
阿吽の呼吸で助け合って「狛犬」たちが神前を守護しているという証です。
北口本宮冨士浅間神社からの登山道の馬返しにある「猿」の像は、左右一対ですが「半眼」で胸の前で両手を合わせています。
何か少し仏教的なようにも感じます。
登山者に対して祈りを捧げてくれています。
神前を守るという「狛犬」とは違ってもっと人を信頼してくれているように感じられます。
富士山の神様は「猿」という使いを通して人の幸せを祈る大変ありがたい御方様のようです。
- 北口本宮冨士浅間神社
住所: 〒403-0005 山梨県富士吉田市上吉田5558番地
電話: 0555-22-0221
HP: https://www.sengenjinja.jp/
「狛犬」が「猿」のその他の神社は?
赤坂山王日枝神社にはやはり「猿」の像があります。
神社の御祭神は、大山咋神(おおやまくいのかみ)で農業や醸造の神とされています。
本殿に向かって左側には子供を抱いた母親の「神猿」像、右側には父親の「神猿」像が置かれています。
「狛犬」のように神前の守護というよりは家族として迎えてくれているかのようです。
「家内安全」や「子授け」「安産」を祈願される方が多いようです。
「神猿」と書いて「まさる」と読むのだそうです。
「まさる」は「勝る」「魔去る」ということから、勝運や魔除けの神とされているそうです。
「猿」は「えん」とも読めることから「縁」として商売繁盛や縁結びの祈願がされているようです。
「神猿」のご利益を期待されている神社となっています。
- 赤坂山王日枝神社
住所: 〒100-0014 東京都千代田区永田町2-10-5
電話: 03-3581-2471
「狛犬」ならぬ「狛猫」?
京都府京丹後市峰山町の金刀比羅神社の境内社の木島神社と猿田彦神社の前には像があります。
それは「狛犬」ではなく「狛猫」で「金刀比羅神社石造狛猫」という名前です。
「狛犬」と同じように神前に左右一対に置かれていて「阿形」と「吽形」からなっています。
丹後地方は「ちりめん」の産地で、その原料がネズミに食い荒らされる被害を受けていました。
そこでネズミを追い払うために一緒に働いてくれた猫を大事にしていたそうです。
1832年「阿形」の「親子猫」の像が献納され1846年「吽形」の「猫」像が奉献されたことで一対の「狛猫」となったようです。
- 金刀比羅神社
住所: 〒627-0034 京都府京丹後市峰山町泉1165-2
電話: 0772-62-0225
稲荷神社には?
稲荷神社には誰でも知っている「狐」の像があります。
「狐」は稲荷神社の神の使いとされています。
そもそもは「狼」が農作物を荒らす害獣を駆除してくれるので神聖視されていました。
その「狼」は山の神の使いとして平野部に住む「狐」は里の稲を守る神の使いとして信仰されるようになったようです。
「狛犬」と同じように「狐」も神前を守護するために睨みをきかせているように見えます。
稲荷神社では「狐」がくわえているのは「玉」と「鍵」などです。
それらをくわえた「狐」が一対となってあります。
「玉鍵信仰」といって「玉」とは稲荷大神の「霊徳」の象徴で「鍵」はその御霊を身につけたいという「願望」のことなのだそうです。
その他「稲穂」(五穀豊穣)、「巻物」(知恵)をくわえている「狐」の像もあります。
- 伏見稲荷大社(全国に3000社ある稲荷神社の総本山)
住所: 〒612-0882 京都府京都市伏見区深草藪之内町68
電話: 075-641-7331
HP: http://inari.jp/
「狼」の像が置かれている神社は?
「狼」の像が置かれているには埼玉県秩父の「三峰神社」「宝登山神社」です。
日本武尊が山火事にあったとき山の神が御眷属の「大口真神(おおくちのまかみ)」たる「狼」を遣わして助けたのだそうです。
そのことで「火を止める山」「ほどさん」「宝登山」と定めたのだそうです。
- 三峰神社
住所:〒369-1902 埼玉県秩父市三峰298-1
電話: 0494-55-0241
HP: https://www.mitsuminejinja.or.jp/
- 宝登山神社
電話: 0494-66-0084
HP: http://www.hodosan-jinja.or.jp/
あとがき
神社には基本「狛犬」が置いてあります。
ただ色々な神縁があり神社によって違いますので登場する像も違います。
富士山は「猿」ご縁があり像が置かれていることがわかりました。
ここでは「猿」「猫」「狐」「狼」を取り上げましたが他にもまだまだあります。
例えば「鹿」「牛」「猪」「像と鷹(千葉県八街市の皇産霊[むすび]神社)」などですが「鯰」「鯛」「鯱鉾」「蛙」など水に関係する像もあります。
まだまだいろいろ出てきそうで今後も少しずつでも調べられればと思います。
これからも「狛犬」から目が離せなくなりました。
【富士山①】一合目を出発し五合目の佐藤小屋へ!富士登山の歴史を感じる樹林帯ハイク!
出典:YouTube
※1:58頃から「猿」の像が紹介されます。
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