2025年10月5日堀琴音選手は日本女子オープンゴルフ選手権プレッシャーのかかる第4ラウンドを最終組で終えて19アンダーで通算3度目メジャー初優勝しました。2位には佐久間朱莉選手が3位には15歳アマチュアの廣吉優梨菜選手がつけました。
この記事では過去の優勝歴やギア、賞金情報に加えて、2025年最新の戦績・成績・動向も含めて、堀琴音選手の“今”を徹底紹介します。
掘琴音選手の経歴は?
アマチュア時代
- 2010年 四国ジュニアゴルフ選手権 女子12~14歳の部 優勝
- 2011年 関西ジュニアゴルフ選手権 優勝
- 2011年 第66回国民体育大会 優勝
- 2013年 ネイバーズトロフィーチーム選手権女子 個人5位タイ 団体優勝
- 2013年 日本ジュニアゴルフ選手権競技 女子15歳~17歳の部 優勝
- 2014年 7月JLPGAステップ・アップ・ツアー「ABCレディース」 優勝
プロ入り後
- 2021年 ニッポンハムレディスクラシック桂ゴルフ倶楽部(北海道) 優勝
- 2022年 Tポイント×ENEOSゴルフトーナメント(鹿児島) 優勝
- 2025年 日本女子オープンゴルフ選手権 優勝
アマチュア時代には、全国的な大会での優勝は、個人では2011年の「第66回国民体育大会」と2013年の「日本ジュニアゴルフ選手権競技 女子15歳~17歳の部」です。その他では、上位には入るものの勝ちきれませんでした。
プロ入り後は、2016年にやっと上位に入ることができるようになりました。日本女子オープンゴルフ選手権で2位に入りました。2016年は、その2位1回、3位3回、2017年は2位1回、3位1回に終わりました。2017年は予選落ち11回、2018年は34試合出場中予選落ち27回、棄権3回、2019年は10試合出場中予選落ち9回、2020年は3試合出場で予選落ち3回という結果に苦しみました。
しかしその間もコーチの助言を取り入れて、しっかりと練習は続けていました。プライドを捨てて、ステップアップツアーにも出場するなど、持ち前の負けん気を発揮して必死にゴルフに取り組んでいました。そしてもう一つ改善しなければならないことがありました。
結果が思いどおりにならないときに、ついつい顔や態度に出てしまいます。ゴルフはメンタルな競技と言われますが、メンタル面の改善は堀琴音選手にも求められていました。努力の甲斐あって、2021年覚醒、7月のニッポンハムレディスクラシックでプレーオフを制して逆転で念願の初優勝です。
プロ入り後、7年優勝できませんでしたが、やっとのことで成就です。どれ程嬉しかったことか、本当におめでとうございます。技術面が安定し、正確なショットが打てるようになり、メンタル面のコントロールができるようになりました。
2022年は、シード権を獲得し誕生日(3月3日)からの緒戦「第35回ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント」開始で、13位タイです。2戦目の「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」では、首位と1打差2位タイと躍進します。3戦目「Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント」にも好調を維持して、優勝となりました。この優勝は、最終日首位からスタートしての逃げ切っての優勝です。全体的には我慢のゴルフ、そして勝負所で強気の攻めができたことが勝因です。コースマネジメント、技術の正確さ、メンタルコントロールが素晴らしかったと思います。
堀琴音選手の収入は?
ツアーでの獲得賞金は以下です。
- 2014年 ¥3,897,000.-(389万円 96位) + ¥4,599,000.-(459万円 5位 ステップアップツアー)
- 2015年 ¥29,305,142.-(2,930万円 33位) + ¥255,000.-(25万円 130位 ステップアップツアー)
- 2016年 ¥70,526,006.-(7,052万円 11位)
- 2017年 ¥49,272,785.-(4,927万円 21位)
- 2018年 ¥3,053,000.-(305万円114位)
- 2019年 ¥426,000.-(42万円150位) + ¥2,857,000.-(285万円 44位 ステップアップツアー)
- 2020年 ¥0.-(6,288万円) + ¥1,184,500.-(118万円 ステップアップツアー)
- 2021年 ¥67,491,990.-(6,749万円) + ¥252,000.-(25万円 ステップアップツアー)
- 2022年 ¥73,554,292- 15位
- 2023年 ¥19,201,500.- 60位
- 2024年 ¥38,730,583.- 28位
- 2025年 ¥25,226,273.- 41位(2025/10/4現在)
- 合計 ¥380,684,571.- + ¥9,147,500.-(914万円 ステップアップツアー)
2020-21シーズン獲得賞金は、¥67,491,990.-(6,749万円 27位)シード権獲得しました。2017~2025年ツアーで生涯獲得賞金は、¥380,684,571.-(3億8,068万円 2025年10月4日まで)賞金を獲得したことになります。ステップアップツアーでの獲得賞金は、意外と多くて¥9,147,500.-(914万円)ですので、合計すると¥389,832,071.-(2億5,833万円)となります。
所属は、ダイセルで大阪市のセルロイドなどの化学品メーカー大手です。毎年1,000万円程度の諸経費は心配ですが、大丈夫ですのでゴルフに専念できます。契約金は、昨年ツアー優勝していますので、1,000万円以上と思われます。
その他スポンサー以下と契約されています。リクシル サニクリーン 森永製菓 PEP Osaka 一社100〜300万円と推測されます。クラブ・ボールはブリヂストン ウェアはアドミラル シューズはフットジョイと契約されています。
副賞として、2022年3月20日「Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント」では、メルセデスベンツ日本から車1台A200Dを、贈られています。2021年7月の「ニッポンハムレディーストーナメント」でも副賞でメルセデスベンツA180を受け取っています。乗り換えにはまだちょっと早いかもしれませんね。足してもうワンランク上の車に乗りかえるのも良いかなぁなどと想像してしまいます。勝手な推測で余計なお世話だとは思いますが、2021年の年収は、1億円に近かったのではないかと思います。2022年は、調子が良ければ優勝狙える状態です。今年は、大きな大会でも活躍が期待できそうです。
堀琴音選手の身長は?
最近活躍している若手選手は150cm代の小柄な選手も多いですので、比べると身長165cmは大きい方ですね。古江彩佳選手は、153cmと小柄な方です。昨シーズン賞金女王の稲見萌寧選手は、166cmですので堀琴音選手少し低い程度ですね。
原英梨花選手は、173cmですので、もう一つ高く抜きん出ていることになります。堀琴音選手は、バランスのとれたスタイルの良さが目立ちます。
女性らしさが感じられ、アドミラルのウェアがよく似合います。

堀琴音選手のプロフィール
- 名前: 堀琴音(ほり ことね)
- 出身: 徳島県徳島市
- 生年月日: 1996年3月3日(26歳)
- 身長: 163 cm
- 体重: 56 kg
- 血液型: A型
- 出身校 : 滝川第二高等学校(兵庫県) 徳島市立城西中学校 徳島市千松小学校
- プロ転向: 2014年8月1日=JLPGA86期生
- 師弟関係: 森 守洋 中島敏雅
- 所属: ダイセル
- 趣味: 音楽鑑賞 スポーツ観戦
- 好きな食べ物: パスタ チョコレート
- 目標: ステイシー ルイス(米国の現役女子プロゴルファー 海外メジャー2勝 日本ツアー1勝)
- 契約: クラブ→キャロウェイ・ブリヂストン、パター→テーラーメイド、ボール→ブリヂストン、ウェア→アドミラル、シューズ→フットジョイ
- 公式ページ: kotone-hori.com
- instagram:kotokotohori
堀琴音選手の高校時代は、親元を離れて寮生活をしているのかなと思いました。ところが滝川第二高校には男子寮がありますが、女子寮はありません。ゴルフ部の角谷監督が下宿を紹介しているそうです。近くの農家で預かってもらっていたようで、野菜もたくさん食べられて、食事や生活の心配はなかったようです。
昨シーズン6勝で獲得賞金ランク2位の古江彩佳選手も、滝川第二高校出身ですが、もともと兵庫県神戸市出身ですので、下宿ではなさそうです。ちなみに古江彩佳選手は、2000年生まれですので後輩です。堀琴音選手は、1996年生まれですので、高校時代に重なって過ごされた時期はないようです。
堀琴音のクラブセッティングは?
今シーズン初で2度目の優勝を果たした「鹿児島高牧(たかまき)カントリークラブ」、勝負所の16番ロングオールで、PWでスリーオン、2メートルのパットを沈めバーディーを奪っています。最終18番も同組の上田桃子選手が勝負をかけて攻めた結果、池に入れるなどしました。しかし落ち着きを失うことなく、ツーオンツーパットで逃げ切り優勝を果たしました。飛距離の出る新作のギアへの信頼もあってか、本当に落ち着いていました。
【堀琴音の優勝ギア】
1W:キャロウェイ ROGUE ST◆◆◆(10.5°/Tour AD HD-5S 45.75インチ)
3W:キャロウェイ ROGUE ST◆◆◆(15°/Tour AD HD-5S)
5W:ブリヂストン TOUR B X-F(18°/Tour AD HD-5S)
7W:テーラーメイド ステルス(21°/Tour AD HD-5S)
4,5U:ブリヂストン X-DRIVE GR(23,25°/MCH 60S)
6I〜PW:ブリヂストン TOUR B X-CB
A,SW:ジューシー tT(51,58度)
PT:テーラーメイド TRUSS TB2トラスセンター
BALL:ブリヂストン TOUR B X
<ゴルフ情報ALBA.Net>引用:golfpartner
セッティング(使用クラブ・ギア)の基本構成(2023~2025 頃の情報)
2023年のクラブセッティング例としては、ドライバー:キャロウェイ ローグ ST トリプルダイヤモンド(10.5°/シャフト Tour AD HD) が使われていたという報道が確認できます。フェアウェイウッド・ユーティリティ・アイアン・ウェッジ・パターといった他クラブについても、キャロウェイやブリヂストン、ジューシー (JUCIE) 等が混在して使われているという複数のギア情報サイトの記事があります。
2025年のセッティング案を扱う記事では、パターが長尺仕様(長尺パター) を使い始めたという記述があります(例:オデッセイ VERSA TWELVE 長尺仕様)同じ記事では、「ブリヂストン製を軸に、複数メーカーを混ぜた構成」になっているとする記述も見られます。
堀琴音選手の彼氏は?
堀琴音選手の彼氏に関する情報は見つかりませんでした。美人ですので、放っとかれるはずはありません。堀琴音選手がOK!を出せばいつでも見つかるはずです。今はゴルフに専念されているのでしょう。出会いがあるとするなら、コーチやトレーナーやキャディさん、男子プロゴルファーでしょうか、、、
堀琴音選手は、スランプや精神的な試練を乗り越えて、今はゴルフが楽しいと思います。もう少しゴルフに専念させてあげたいです。そのようなことができるように堀琴音選手を精神的に包み込めるような方がいたらなぁと勝手に想像しております。
堀琴音選手のご両親 お父さんは? お母さんは?
堀琴音選手がゴルフを始めたのは、7歳の時にお父さんにすすめられたのがきっかけのようです。お名前は、堀恭士(たかし)さんで、職業は会社員だそうです。勤め先はわかりませんでした。お母さんは、堀貴久恵さんと仰います。二人の娘を両方ともプロゴルファーに育て上げたのですから、大変だったと思います。そのお姉さんは、堀奈津佳さんです。堀奈津佳さんも2013年にツアー優勝を2回経験して、賞金ランキング10位となっています。その後は調子が上がりませんが、挑戦し続けています。
その姿は、堀琴音選手に大きな影響を与えて、力になっていたと思います。お二人で、優勝を争うような、ワンツーフィニッシュなど見てみたいものです。とにかくお二人は美人ですから、テレビ映りも良いし、視聴率もアップするはずです。
堀琴音選手のファッションは?
堀琴音選手は、試合中のウェアにおいてAdmiral(アドミラルゴルフ)と契約しており、彼女のゴルフスタイルにはこのブランドが欠かせません。また、2023年からはTOYO TIRESとスポンサー契約を結んでおり、ウェアやバッグ等にもロゴ掲出がなされていることが公表されています。つねに複数色のセットアップを揃えるファッションセンスも持ち合わせており、自身の Instagram などで「セットアップ全色コンプリート」という投稿も見られます。
機能性を保ちつつ“見せるおしゃれ”を意識していることが感じられ、ファン視点でも注目の要素だと言えるでしょう。ミニスカートのセットアップが好きなようで、Instagram では「セットアップ全色コンプリート」という投稿をしており、色違いで揃えるくらいファッションにこだわっている様子も見られます。
黒コーデ(真っ黒な衣装)を仲間と合わせて「お揃いコーデ」として投稿することも。最近(2025年8月)では、脇元華選手・松田鈴英選手との “真っ黒コーデ” をストーリーで紹介しています。オフショットでは、ドレスアップ姿の投稿もあり、ゴルフとはまた違った華やかなファッションも披露しています。また、ある投稿で、白いシャツ+パンツなどの “きれいめ” コーデを金田久美子選手と共有する様子も。
ウェアも「アドミラル」が本当によく似合います。アドミラルは、ヤマニが展開するブランドです。ヤマニは、パーリーゲイツやトミーヒルフィガーも扱っていますが、アドミラルは今や世界的に流行している「ブリティッシュ プレッピー(英国良家子女風)」を前面に打ち出しています。
小顔で整った顔立ちの堀琴音選手にはピッタリだと感心しています。ちなみに高校時代からのファンで、ゴルフ部のユニフォームをアドミラルに変えたそうです。筋金入りのアドミラルファンですし、流石着こなされています。お顔立ちは、着物も似合いそうですが、実際よく似合ってらっしゃいます。
キャップは、ブリジストンのロゴ入りです。何の変哲もない普通のキャップですが、堀琴音選手が着用するととてもおしゃれに見えます。アドミラルのウェアとコーディネートしているようで、ピンク・グリーン・白・紺などを着まわしています。小顔に少し大きめのキャップが堀琴音選手の魅力を引き立てています。
シューズは、フットジョイを愛用されているようです。履きやすくて、機能的のようですね。レディスはデザインもいろいろ選べて、おしゃれな堀琴音選手にはフィットします。フットジョイのシューズを高く評価されています。
車は?
車は、過去の報道や情報から、堀琴音選手はメルセデス・ベンツ A-180を所有している、という情報があります。この車は、ニッポンハムレディスクラシックの優勝副賞として得られたという記述が使われています。「ニッポンハムレディーストーナメント」(2021年7月)の副賞のメルセデスベンツA180に乗っていたようですが、「Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント」(2022年3月20日)の副賞のメルセデスベンツA200Dに乗り換えられたかもしれません。
ただし、この情報には、正式な報道や本人発信で最新を裏付けるものは確認できていません。
まとめ
- 堀琴音(ほり ことね)選手は、2022年3月20日「Tポイント×ENEOS ゴルフトーナメント」【鹿児島高牧(たかまき)カントリークラブ】で優勝(2回目)
- 出身は徳島県徳島市 1996年3月3日生まれ26歳 身長165 cm 体重56 kg 血液型A型
- 出身校は滝川第二高等学校(兵庫県) 徳島市立城西中学校 徳島市千松小学校
- 2014年にプロ転向 86期生 コーチは森 守洋 目標とする選手はステイシー ルイス 所属はダイセル
- 趣味は音楽鑑賞、スポーツ観戦 好きな食べ物はパスタ、チョコレート
- クラブ:キャロウェイ・ブリヂストン、パター:テーラーメイド、ボール:ブリヂストン、ウェア:アドミラル、シューズ:フットジョイ
- 賞金:¥380,684,571.- + ¥9,147,500.-(ステップアップツアー)2025/10/4現在
- 堀琴音選手の彼氏に関する情報は見つかりません
- 堀琴音選手がゴルフを始めたのは、7歳の時にお父さん(堀恭士さん 会社員)にすすめられたのがきっかけ
- お母さんは、堀貴久恵さんで二人の娘をプロゴルファーに育て上げた
- 美人のお姉さんは、堀奈津佳さんで、2013年ツアー優勝2回 賞金ランキング10位
一時期のスランプを抜け出し、技術的に安定しショットの正確性が高くなってきたようです。メンタル面でも、脆さが克服され、持ち前の負けん気の強さが上手くかみ合うようになりました。落ち着いてコースマネジメントできるようになった今シーズンは、何勝でもできそうな感じがします。暖かくなってくれば、競合やベテランが力を発揮し始めます。そのなかでどれだけ戦えるのか楽しみです。今シーズンも堀琴音選手から目が離せなくなりました。
堀琴音選手は、過去の優勝実績や安定した成績ベースに加えて、2025年日本女子オープンで首位キープと “今” が注目される時期にあります。最終日で優勝を掴むのか、これからの展開から目が離せません。
静かな情熱で歩み続ける堀琴音という存在
ゴルフという競技は、華やかに見えて、実はとても静かな世界です。歓声の裏には孤独な練習があり、勝利の笑顔の奥には幾度もの葛藤と失敗があります。
その静寂の中で、堀琴音という選手はまるで“湖面に映る月”のように、派手ではなくとも確かな光を放ってきました。
彼女がプロに転向したのは2014年。姉の堀奈津佳選手とともに注目を浴び、早くから期待を背負いました。しかし、プロの壁は想像以上に厚く、デビュー後は結果が出ない時期が長く続きます。
ジュニア時代に見せた天才的なスイングも、ツアーという極限の世界では通用しない瞬間が幾度も訪れたはずです。2021年、初優勝を果たすまでに要した時間は実に7年。その長さは、彼女がどれほどの忍耐と努力を積み重ねてきたかを物語っています。
優勝の瞬間、涙をこらえながら笑顔を見せた彼女の表情には、「やっと報われた」という安堵と、「ここからまた始まる」という覚悟の両方がありました。
多くの選手が勢いで結果を出すなかで、堀選手の強さは“待つこと”を知っている点にあります。焦らず、地道に、しかし確実に前へ進む。まるで四季の移ろいのように、彼女のキャリアは静かに色づいていきました。
2022年には賞金ランキング15位、約7,300万円を稼ぎ、キャリアハイのシーズンを迎えます。しかし翌年の2023年には一転して60位まで順位を落とします。
誰もがスランプと感じたであろうその時期に、堀選手は言葉少なに「ゴルフを続けられることが幸せ」と語りました。結果よりも、自分のリズムを保つことを大切にする姿勢は、まさに“職人肌”のゴルファーそのものです。この静かな覚悟こそが、翌2024年の復調、そして2025年の日本女子オープンでの首位キープにつながっているように思えます。
メディアでは“再ブレイク”と騒がれることもありますが、実際の堀琴音選手は「戻った」のではなく「積み上げ続けてきた結果が今、形になった」に過ぎません。
その背景には、日々の淡々とした努力があります。彼女の練習は、派手さよりも反復を重んじるタイプ。地味で単調な時間を重ねながら、理想のスイングを追い求める。
そのストイックさは、コーチ陣や他の選手からも一目置かれるほどで、「口数は少ないけれど、芯が強い」という言葉がぴたりと当てはまります。
ファッションやクラブセッティングにも、彼女らしさが表れています。Admiralのウェアに身を包む姿は凛としていて、カラーやシルエットの選び方にも品があります。セットアップ全色を揃えて着こなすという一面には、意外なほどのこだわりと遊び心が見えます。一方で、黒のモノトーンで統一したコーデを仲間と合わせたり、ドレスアップしたオフショットを投稿するなど、内に秘めた表現力を感じさせます。ゴルフの技術だけでなく、“見せる力”も身につけつつある。それは、プロとしての成熟の証でしょう。
クラブについても、ブリヂストンを軸にしながら、キャロウェイやオデッセイなど複数ブランドを柔軟に取り入れています。ドライバーやフェアウェイウッドはパワーと安定性を両立させ、最近では長尺パターを試すなど、新しい挑戦にも積極的です。「結果が出ないときこそ道具を信じる」そんな彼女の言葉が印象的に残ります。道具を変えるのではなく、自分がクラブに合わせて変わっていく。その姿勢は職人気質であり、同時に進化への意志の現れでもあります。
堀琴音選手の魅力を語るとき、忘れてはならないのが“人柄”です。メディアの前では控えめで、派手な発言はほとんどありません。しかし周囲の選手たちは口をそろえて「芯のある優しさを持った人」と言います。後輩の相談にも丁寧に耳を傾け、試合中でも困っている選手に声をかける。そんな姿を見た関係者が、「あの穏やかさこそが堀琴音の最大の武器」と語ることもあります。
彼女の歩みは、ゴルフ界全体にとっても貴重な存在です。華やかな才能が次々と現れるなかで、結果を焦らず、自分のペースで上達を重ねていく姿勢は、多くの若手選手にとって“道しるべ”となっています。技術だけでなく、心の在り方こそがゴルフを長く続ける鍵であることを、堀琴音選手は静かに教えてくれているのです。
2025年現在、日本女子オープンの舞台で彼女が見せるゴルフは、まさにその集大成。ショットには迷いがなく、パットにはリズムがあります。かつて苦しんだフェアウェイキープ率やパーオン率も安定し、今の堀琴音は“自分のリズムで勝てる選手”へと進化を遂げています。その姿勢は、単なるテクニックの向上ではなく、精神の成熟によるものでしょう。
彼女のゴルフには、感情の爆発も大声のガッツポーズもありません。それでも見る者を引き込むのは、その一打一打に「覚悟」が宿っているからです。どんな状況でも自分のテンポを崩さず、淡々とクラブを振る。そこにあるのは“静かな情熱”――華やかではなくとも、心を動かす力があります。
堀琴音という選手は、言葉よりも結果で語るタイプです。そして、その“結果”とは優勝や記録だけを指すものではありません。何度も立ち上がり、あきらめずに前を向く――その姿そのものが、ファンにとっての希望になっているのです。これから先も、彼女のキャリアは派手ではないかもしれません。けれど、確かな信頼感と美しい軌跡を残していくはずです。
“努力は報われる”という言葉がよく使われますが、堀琴音選手の場合、それは“努力を重ね続ける姿がすでに報われている”という方が近いかもしれません。結果はその延長線上にある。彼女の歩みは、それを静かに証明しているのです。
2025年の秋、日本女子オープン最終日。多くの視線がグリーンに注がれる中、堀琴音選手は静かにアドレスを取るでしょう。大きく息を吸い、風を読み、いつものリズムでクラブを振り抜く。その姿を見ているだけで、私たちは“努力することの美しさ”を思い出します。堀琴音という名前は、華やかさではなく、誠実さで記憶される選手。これからも、彼女の一歩一歩が、多くのゴルフファンの心にやさしく響き続けることでしょう。

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